「主体的・対話的で深い学び」の「深い学び」を成立させるためには、問題解決のための話し合いを、具体から抽象へと、帰納的に思考していく学習の過程が不可欠となります。このような学習過程は、どの教科にも共通して求められていることを、先生が理解して、積極的に実践していくことが重要です。教科の内容によって多少学び方の過程は変わりますが、人の思考過程から考えていくと、すべてに共通ている部分があります。その共通するものを理解して、実践を積み重ねて、子ども達一人一人に学び方を定着させたり、集団としての学び方を定着させることで、「深い学び」は実現できるようになると思います。
 具体から抽象化する過程で、共通点や見えない仕組みを捉え、新たな知識を創造することが深い学びです。これを成立させるための教科の枠を超えた「共通する学び方」を、集団と個人に養うことが必要です。その結果として、思考力・概念化能力を養うことができ、より深い学びが成立すると考えます。
  主体的・対話的で深い学びの「学習過程」や「学習活動」は、一つに定められているわけではなく多様です。ここでは、特に資質・能力を養うための「基盤になる力」を児童生徒に育成する方法を提示しています。「問題解決のための話し合いをして、みんなで考えを作り出す学習」が中心になります。
 主な学習過程は、『➊学習問題(課題)の設定する活動、➋一人一人が課題に対する考えをまとめる活動、 ➌話し合い活動、➍話し合い後の自分の考えをまとめる活動』です。この過程で一人一人に自ら学ぶ力や資質・能力を養うこと、学級に学び方を定着させていくことを説明しています。そして、多様な学習方法を過程を取り入れ、幅の広い資質・能力を育成することをめざします。
 
  学習問題解決の話し合いにおいて、子どもたちの個別の経験や考え方、多様な情報などを、積極的に出し合い、共通性や関連性を捉えてまとめていき、構造化して新たな知識を創造するものが主体的・対話的で深い学びです。
 そして、多様な発言をもとに、「対話」と「相互作用」で、みんなが参加して、新たな考えを作り上げていくことをめざします。この学習は、みんなで考えを作り上げる「議論」ができる日本人を育成することにもつながります。
    主体的・対話的で深い学びの目的は、学習過程において思考力等の「資質・能力」を養うことが目的になります。つまり、結果として話し合いで作り上げた「最適解」や「新たな考え」も大切ですが、それ以上に学習の過程で、「どんな資質・能力」を使って、「どれだけ資質・能力」を育成できたのかを重視するということです。テストでよい点が取れれば、学習の目的が達成できたという考え方を、見直す必要があります。
    資質・能力を育成する主体的・対話的で深い学びを実現するためには、板書も大きな役割を果たします。誰がどんな発言をして、どのように考えてきたのか話し合いの過程を分かりやすく表しているものが、役に立つ板書です。
ネームプレートを板書に活用することは、話し合いの板書の基本です。また、考えをまとめていくまで過程も分かりやすく表現されていることが大切です。
    振り子の揺れで、「系統主義」か「経験主義」なのか表す考え方がありますが、どちらかに偏り過ぎることは良くないと思います。当然のことですが、どちらにも長所や欠点があり、どちらにも合う子・合わない子がいます。両方の良さを生かすことで相乗効果が発揮できるようにしたいものです。新学習指導要領は、系統主義を基盤にして、問題解決学習などの経験主義的な学習も取り入れていくものと捉えることができます。『習得を中心にして効率的に教え込む授業』と『活用(話し合い)の授業』をバランスよく実践することが求められていると考えられます。
動画のぺージーへのリンク
主体的・対話的で深い学び
ダウンロード
主体的・対話的で 深い学び
 主体的・対話的で深い学びは、「アクティブラーニング」、「学び合い」、「議論」などの要素がすべて入っていると考えられます。
   「動画説明」のページにリンクします。左の図をクリックしてください。
教師の秘伝

Copyright ©2016 kyoushinohiden All Rights Reserved.

トップページ
受容的な学級
議論する力
実現の手立て
資質・能力 深い学び